エディターズ・コラム

第103回:シャングリ・ラ ホテル 東京 開業とその逸話

3月2日に開業したシャングリ・ラ ホテル 東京。す でにご利用された方もいらっしゃるのではないだろうか。

念のために、このホテルの概要をお知らせしておこう。 場所は、東京駅に隣接する37階建ての複合ビル、丸の 内トラストタワー本館の最上層階の部分27〜37階。 27階にはボールルームやチャペルなどがあり、28階 がフロント。そして、この階にはロビーラウンジやイタ リア料理「ピャチェーレ」が。その上の29階には、日 本料理の「なだ万」とCHI「氣」スパが配されている。

このスパは、シャングリ・ラが独自に開発したオリジ ナルブランド・スパ。中国やヒマラヤのヒーリングセラ ピーをもとに開発されているので、女性の皆さんの関心 を集めることだろう。

客室は全部で202室。36〜37階はホライゾンク ラブになっていて、37階には専用ラウンジが付帯して いる。タイプ別の内訳は別表にまとめてみた。

このホテルの外見的な特色をいくつか挙げてみよう。 シャングリ・ラのDNAの一つに、シャンデリアがあり、 内部には50以上のシャンデリアが設置されている。

その最も大きいものの一つが27〜29階の大階段の 天井から吊り下げられたシャンデリア。長さが約10メ ートルで、重さが2000キロという代物。45万65 00ピースものクリスタルビーズと1070ピースの氷 柱型のクリスタルガラスが降り注ぐ雨粒を表現し、ロビ ーを優雅に演出している。

アートワークも随所に飾られている。全体のコンセプ トは、中唐の詩人・白居易の作品「琵琶行」からインス ピレーションから得ているということで、東洋的な雰囲 気を湛えている。近年開業した外資系高級ホテルは、和 風を重んじた装飾が採用されてきたが、ここに来て、ち ょっと味わいの異なるホテルが出現したという格好だ。

そのシャングリ・ラの総支配人ウルフガング・クルー ガーさんにお話を聞く機会があった。クルーガーさんは、 台北のシャングリ・ラ ファーイースタンプラザホテル で3年間総支配人を務められて、07年11月、開業準 備のために来日したそうだが、私は興味本位で、来日し てから最初に行なったことを聞いてみた。

すると、意外な答えが返ってきた。ある本を探したの だという。その本とは、ジェームズ・ヒルトンが193 3年に発表した伝奇小説『失われた地平線』である。

なぜ、そんな古い本を? と不思議に思う人もいるか もしれないが、この小説には理想郷シャングリ・ラが登 場するからである。1971年、シンガポールで創業し たシャングリ・ラは、その小説の理想郷をモチーフにし ていたのである。

で、その小説は、文庫版で翻訳されていたが、いまは 絶版。そこでクルーガーさんは、出版社と交渉、英語版 と同じ大きさで印刷を依頼し、客室に備えることになっ たのだという。

シャングリ・ラにとって、この本はそれほど大切なの である。海外のすべてのシャングリ・ラには英語版の本 を客室に備えているという。

私は、だいぶ昔に、映画化された作品を見たことがあ った。今度は、ホテルに泊まって、この小説をゆっくり 読んでみたいものである。


客室:そのタイプと広さ
客室 部屋数 面積u
デラックスルーム 80 50
デラックスベイビュー 65 50
プレミアルーム 15 68
プレミアベイビュー 68
ホライゾンデラックス 17 50
ホライゾンデラックスベイビュー 11 50
ホライゾンプレミア 68
エグゼクティブスイート 120
シャングリ・ラスイート 120
プレジデンシャルスイート 269

シャングリ・ラ ホテル 東京 公式ホームページ

(2009/3/18)

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